もみもみ

19/22
前へ
/103ページ
次へ
「サーラの紹介でね。執事学校を主席で卒業した甥を旦那様の大切なお嬢様に仕えさせて欲しい、と二人で来てくれた」 「どうして私だったの?」 「その時はアニーラとライラには執事がいた。今はいないのだがね」 「どうしていないの?」 「厳しいと言って、二人が嫌がったんだよ」 「そう…」 これだけでの判断は難しい。悪く受けとれば、ユリア嬢に執事がいない時を狙って紹介した。良く受けとれば、ユリア嬢にも優秀な執事を…となるよね。 「ウィルが気になるの?」 「いえ…そういうわけでは…洗髪はすごく上手だと今日思いましたけど」 「そうなの?」 「はい。アニーラさんとライラさんにもオススメです。すごく気持ちいいので」 もう少し私なりに探りを入れる。 「それなら明日お願いするわ。あと‘さん’付けはやめて。気持ち悪いわ」 男性執事が洗髪ということには抵抗がないようなので、その部分で私は騙されていないか。 「私はユリア様付きですので、ユリア様以外のお世話は致しません」 ウィルの声が私の後ろからして、アニーラとライラはそっちを見る。 「それもそうだけれど、うちで雇われてるには違いないでしょ?」 「それともユリアにご執心?」 「それなら私達は邪魔しないわ…ぅふふふふっ」 「お二人にどう思われても私は気になりません。私はユリア様のため…ユリア様に心身共健やかにお過ごし頂くために全身全霊捧げております。ただそれだけです」
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1396人が本棚に入れています
本棚に追加