もみもみ

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部屋に戻ると私は部屋の中をあちこち開けて隅々まで見た。食事が運ばれさえすれば、ここだけで生きていける感じにはなってるんだ。 「ウィル、私は何時に起きればいいの?目覚ましのアラームはある?」 「いつもは7時半頃、私がお声を掛けてからお目覚めです」 「それから一日何をするの?」 「湯あみやマッサージの日もあれば、買い物にお出かけの日もございます。お菓子を作っておられることもありましたし、ピアノを弾いておられることもありました。ダンスのレッスンは…」 「何?」 「…はい、苦手でおられるので、旦那様からは毎日1時間はと伺っているのですが、逃げられることもあり…私が苦戦しているところでございます」 「私は…執事学校主席の優秀な執事を困らせているってこと?」 そう聞きながら、可笑しくなってきた。やるじゃない、ユリア嬢。そういうところがなきゃ、やってられないわよね。クスクスと笑いが止まらない私に 「私の力不足です」 と真面目に応えるウィルには申し訳ないけれど、ダンスが苦手キャラは都合がいい。 「また逃げると思うけど…逃走経路が記憶にないのは困ったわね。明日は城の中を全て案内してくれる?」 「仰せのままに」 「よろしく。おやすみなさい」 「ナイティへとお召しかえ下さい」 「分かった………出来るからもう行っていいよ?」 「そういうわけには参りません。ドレスも持って下がりますし、きちんとお休みになるまでお側におります。急にお食事もされたので様子を見ませんと…」 はい…全部ペロッと食べちゃったのよね…病み上がりと思えない食欲だったよね。
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