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「では洗髪から失礼します」
全裸でのやり取りで少し冷えた体をお湯に沈めると、もみもみの心配が無くなった開放感からあくびをひとつして目を閉じた。
「気持ちいい」
「ユリア様の胸の重さから、姿勢が悪くなったり、肩こりや頭痛が起こらないように、こうした頭のマッサージや体のマッサージを丁寧にさせていただいているのです。どうぞリラックスしてお過ごしください」
「胸に惹かれて結婚して…この国ではそれで皆が幸せなのかな?」
「重要な要素ではありますが、胸にもやはり好みがございます。大きければ大きいほど惹かれるという男性もいれば、一定のサイズが好みの男性もいるわけです。言葉を交わさずに結婚するなどということはありませんから、お互いに生理的に嫌う相手ではない。となると、自然に心も惹かれ合うのではないでしょうか?」
「ふぅーん…ウィルの好みは?」
ぴたっとウィルの手が止まり、私がそっと目を開けると、彼は私の胸を凝視している。
「ぇ…ウィル?」
彼がゴクリと喉を鳴らしたので爺さんを思い出し、思わず手ブラをすると
「ユリア様…ご心配なく。好みどころか、理想の上をいくまろやかバストが目の前にあろうとも職務を遂行する自信はございますから」
ウィルが掠れ声から最後は普通の声へと戻して、洗髪を再開した。優秀なんだから大丈夫よね?続けてるってことは、これまでの2年間に間違いが起こっていないんだもの。
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