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お肌はつるつるだけれど、気分はどこか滑らかにはいかない。ウィルが‘信じて’‘任せて’と言うことを鵜呑みにするのが楽だろうけれど…なんかね…
私は、お手伝いさんも執事も本物というのを知らないのだから、判断には非常に困る。はぁ…あのお母様か姉妹と仲良くなって教えてもらう?
「ユリア様?お口に合いませんか?」
私のため息が耳に届いたのか、サーラが紅茶のポットを手にこちらを見た。
「ううん、温かいからホッとして…美味しい」
オニオンミルクスープに超小粒のお米が入ったお粥と、たっぷりのフルーツプレートの朝食は、菓子パンを朝食にしていた日々とは比べ物にならないヘルシーさだ。うん?菓子パンって…どんなんだっけ?ぇ…私の記憶は曖昧になっていくの?爺さんに聞いてないんだけど?
「ユリア様は赤い屋根を覚えていらっしゃったんですね。昔は一番高いあの塔に上れましたけど、ユリア様は怖いとおっしゃって上るのではなく敷地の外からお城を眺めるのが好きでいらしたので」
おぉぉ…ミラクルユリア‘お城の赤いとんがり屋根が全部見える場所へも行きたい’なんて言っちゃってたよ。ぅっほぉ、ラッキー。
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