びゅーん

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そして杖を持たない方のお爺さんの手は、硬い診察台のような感触を背中に感じている私に伸びている。 「…っ…キャーぁぁあああああぁ…っ…」 なんで全裸?なんでお爺さん…いや‘お’を付けるのも腹立たしい爺さんが私の胸に手を… 「はぁぁぁぁぁ?私…誰っ?」 大混乱だ…これをパニックと言うのだろう。仰向けのまま見下ろす胸はパーンと張りがあり天井向いて堂々と聳え立っている。いつものまな板ではなく私の視界にぷるんと入る胸…誰かの記憶に入ってる?誰かの体? 「名前は?」 「…」 「もう一度だけ聞く。答えねば即、あの世へ送ってやる。名前は?」 「由利亜…」 「ユリアか…ふむふむ」 「ちょっと…」 ふむふむがモミモミになってますって。でも自分の肌に触れられている感じがして、あ…右手を目の前に持ってきた。 「私のホクロがある…自分の体なの?」 「そうじゃ。まだここでは死んでいないからな。ここに選ばれて来た者は、このまま死ぬことも出来る。または自分の意思を持って他の者の人生を自分のものと出来る。その選択を与えられし者」 「分かりにくいなぁ…どうして私は全裸?どうしてあなたは私を触ってるの?」
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