どきどき

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「湯あみとセット?」 ラースがそう言って私の頭の上でポイヤックと顔を見合せる。 「だって…ラースもお風呂に入った時に頭を洗うでしょ?違ってる?」 「僕はもちろんそうだけれど、ポイヤックの手もお手伝いの手も、誰の手も借りることなく一人で湯あみをするからね」 嫌なドキドキを感じると同時に頬が異常に熱くなるのを感じ、ラースの手を握りしめたけれど自分の手がひどく汗ばんでいることに焦って泣きたくなる。 そこへいつの間に中へ来たのか、爺さんが現れたと思うと私とテーブルの間を無理やりこじ開けるようにして私の膝の上に座り、胸をヘッドレストにした。 「…爺さん…寛いでいる場合じゃないって…」 「慌てても何も変わらんなら、ゆっくりせんとな」 「何か知っているの?」 「何かとは何じゃ?」 「ウィルと…」 ユリア嬢と言うのはおかしい… 「ウィルとサーラのこと…サーラは…湯あみもウィルに任せてるんだけど…」 「とんでもないことが起こっていますね…」 「ああ…由々しき事態なんてもんじゃないな」 「…やっぱり…おかしいよね…そう思って…聞きたくて…」 私が震える声で呟くとラースが私の頭を引き寄せ、少し斜めになった私の上体にもたれていた爺さんも斜めになり、耐えたかと思ったけれど…ドタガタッ…足元に落ちた。 「ユリア、よく聞けたね」 ラース…爺さんが落ちてますけど?私の頭を撫でていていいの?
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