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ポイヤックも爺さんを気にせず、振動でガチャガチャと音を立てたティーセットの傷を確かめている。そして
「以前からウィルのことは警戒していたんですけれど」
とため息をついた。
「ラースが…ウィルは怖いよ…って私に言った…」
「ポイヤックのため息と原因は同じだよ。どうも信じられない男だとアニーラやライラのところを辞めた執事から聞いたり、アニーラ達からもウィルとユリアの距離感がおかしく感じることがある、最近そう聞いたこともあったから…二人はどうなっているのかと思った矢先にユリアが寝込んだ…」
「流行り病と思っていたが…何かおかしな薬を飲まされて体が受け付けなかったという可能性もあるんじゃな」
爺さんが私の足元から、ドレスをむぎゅっと引っ張ってずり上がってくると、ドレスの左側が下に引っ張られ、かろうじて胸を隠しているランジェリーが露になる。
「ちょっ…っと…」
ぐいぐいと私がドレスを引き上げるとまた落ちた爺さんをそのままに
「薬か…湯あみには薬は使われていない?飲まされなくても、オイルなどを垂らされる、嗅がされる、塗られる…とか…」
ラースが遠慮がちにドレスのリボンを整えてくれた。
「…オイルなどって…悪いもの?」
「洗脳や調教と言えば分かりますか、ユリア様?当たり前に体を開くように…」
「ポイヤックッ。ユリアは湯あみと言っただけだ」
「失礼致しました」
また嫌なドキドキが私を襲ってくる…当たり前に体を開くように…両手でラースの手をガシッと握って震える私に
「ユリア、リラックスじゃ」
爺さんがドレスの裾へ頭を入れて膝の内側を撫でた。
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