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「心配無用じゃ。十分にラースを喜ばせることが出来る、満足させることが出来る、愛される体じゃ。あとは素直に好きだと言えばええ。ユリア嬢の遠慮はユリアには関係のないことじゃ」
「まだ出会ったばかりなんだけど…」
「そうは思えん二人じゃったな」
そう言われるとそうだ。
「まだラースのこと何も知らないんだけど…」
「何も知らなくても一目惚れはするもんじゃろ?これから知ればもっと好きになること請け合いじゃ。ラースは真面目ないい男じゃ。今頃、ポイヤックや手伝いの者だけに任せずに一番に動いとるに違いない」
「そう言うけど…爺さん、ウィルのところに私を送ったのね?」
「それはユリア嬢しか選べなかったからの。顔が瓜二つで命が消えるタイミング…もう一度ウィルの手にかかるにしても、喜んでそういうプレイをするなら悪くはないじゃろ?」
「…そういう…プレイ…」
「気になるならラースとすればええ。それより、誘惑の練習が必要だと思わんか?ワシが練習相手になってやる」
爺さんは昼寝どころでないギラギラした目力で私を見上げた。
「その手には乗らない」
「じゃあ、ワシは寝る。近々あるパーティーでどこかの令嬢にラースを持って行かれないようにせいぜい頑張れ」
そう言った爺さんは、ベッドの上に大の字になると
「ユリアもここ、ええぞ」
と僅かに右に体を避けた。
「…丁重にお断り致します…はい」
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