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「ぇ…本の世界に閉じ込められるの?」
「いいや、そういうわけではない。これは本の形をしておるが、ユリアの知る言葉で言うと‘動画データを取り扱い、生成、伝送、変換、記録、再生などの機能を持つ本’じゃ」
「分かりにくいなぁ…ビデオってことね」
背の低い爺さんの顔が私の出来立てほやほやEカップ…私の目測推定値…の真横でコクコクと動いたと思うと
「ぉおっと…」
ふらついた爺さんは本を私の膝に投げ出し、顔をむにゅっと私の胸に埋めた…すごい…あばら骨に当たらない。違う、違う…感動してないで
「ちょっと…退いて」
爺さんをぐいぐいと押し返した。
「っぷっはぁ…昇天しかけたわい」
「昇天はまだしないで。私の質問に答えてからにして」
「質問はあとひとつじゃ」
「まだ質問してないのに、もう?」
「本のこと聞いたじゃろ?」
「…赤いとんがり屋根の城を選んだとして…いきなり私がそこに存在して生きられるの?しかも全裸でどうするの?」
「ふたつじゃな…まあいいか…」
爺さんは私の胸を見ながらそう呟き、教えてくれた。
「この城にユリア嬢という娘がいる。その娘は流行り病でここ1週間寝込んでおるんじゃがもう間もなく命が尽きる。今ユリアが城で生きることを選べば、ユリア嬢の命が尽きる瞬間に、ユリアがそれに取り代わって生きることになる。周りから見ればユリア嬢が無事生き返ったということになるだけじゃ。だから全裸であろうが問題はない。ユリア嬢のベッドからユリアの第二の人生は始まるからな。あちらで全裸ということはあるまい」
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