ふわふわ

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フルーツティーはフルーツフレーバーというのではなく、紅茶の中に本物のフルーツが入っていた。 「フルーツも食べていいの?」 「はい、お召し上がりいただけます」 「ドナさん、ありがとう。いただきます」 「さん付けはおかしいですから、ドナとお呼びください」 ドナがそう言って部屋から出ると 「ポイヤック」 ラースがポイヤックさんに報告を促す。 「眠剤、媚薬ともに塗る、飲む、嗅ぐの各種が発見、押収されました。お部屋からかバスルームからか、その詳細は不明です。ウィルだけでなくサーラも、知っていながら協力していたとの理由で調査隊の調査対象となり城から出されました。詳細と調査結果は一両日中に判明するものと思われます」 淡々と言い切ったポイヤックも、隣に座るラースも私を気遣うように見るけど 「ショックを受けるはずなんだけど…他人事に聞こえるだけ…記憶にないってこういうことだよね…」 正直に伝えた。生まれた時からお世話してくれたサーラって言われても全くピンとこないもの。 「記憶にないけれど違和感や疑問を感じたユリアが自分の身を守ったってことだ。良かった…」 ラースがそう言いながら私の背中を撫でる。 「じゃあ…私は帰れるってこと?」 帰るという感覚は全くなく、今はどこにいてもホテルに宿泊している気分だけれど。 「いえ、ユリア様。お部屋はしばらくあのまま、調査が終わるまで立ち入れません。その後、全面改装したいとユリア様のお父様はお考えのようです。ですから、当分はこの屋敷でお過ごしくださいませ」 ラースと壁一枚を隔てて毎晩寝るのね…たまに爺さんも出没するここで。
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