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「…一人ぼっちな…の…誰も…みんな…知らないひぃ…とぉ…」
おんおんと泣く私の顔はきっとサル以下に違いない。けれど、吐き出し切ってしまいたかった。ラースは私の背中を撫でる手を休めずに
「ツイリン爺は知っているだろ?僕のことももう知っているし、ポイヤックもドナだって。友達が欲しければいくらでも新しく紹介するし、ドナと友達になってもいいんだ。もう一人ぼっちじゃない。僕がそんな思いはさせない」
と静かに慰めてくれる。
「ぐぉほぉ…っ…」
嗚咽に噎せて座ったまま前屈みになり、吐くような格好でまだ泣く私の前に移動したラースが私をそっと抱きしめた。
「ほら、一人じゃない」
そう言って頭を撫でる彼に続いて
「私もユリア様のお力になります」
とポイヤックの声がする。
「失礼致しま…ユリア様?お声が廊下までしたものですから…」
ドナまで来たけれどもう息が続かない…私は泣きじゃくりながら意識を深く沈めた。
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