ふわふわ

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全身が心臓状態のどさくさ紛れに私は声を絞り出す。 「ラッ…ラースは…いつからどうして…私を好きなのっ?」 彼はゆっくりとベッドに腰を下ろすと、私の頬を手のひらで包む。 「ユリアに最初に会った時は可愛い女の子で、アニーラとライラと同じようないとこが増えたと思ったよ。ダンスがうまく出来ないと、この頬を膨らませてるところなんかすごく可愛かった」 そっと頬を撫でながら彼は続ける。 「でも数年経てばすっかりレディの雰囲気で…それは外見だけでなく内面もね、とてもはっきりと自分の意見や考えを言葉にするところに惹かれたんだよね。僕が18歳でユリアが13歳の時にしっかりした飽きない会話が続いて、しかも美人で可愛くて…すっかり恋してもう6年は経ったね。ユリアはもうすぐ20歳だよ」 一度死んだあと1歳若返っていることがこれで確かだ。 「もうすぐ20歳だという言葉を添えてくれるラースがとても素敵で…安心できる…誕生日も忘れたのか?何歳かわかる?って言われそうなところだけれど」 「もう一度言うよ?僕は記憶のない辛さを全て理解することは出来ないけれど、ユリアを理解する努力は惜しまない。だからこんな言葉は当たり前なんだ。自分がユリアだったらと想像出来る範囲だからね」 「それでも…ありがとう。これまでのことはわからないけど…私はラースが好きだと…きっとそうだと…ぉも…ぅ」 ちっちゃ…自分でも呆れる声の小ささだったのでガッカリしたけれど、ラースは嬉しそうに私を抱きしめた。
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