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「ラウレンティウス·グリン·レーゲルスタインハウゼンベルガード…やっと恋が実ったよ」
どうしよ…たぶんラースの名前だよね?異常に長くない?ラウ…?最後が‘ド’だったことは確か。
「…ラースは…ニックネーム?」
「そう。ラウレンティウスだからね」
「ちょっぴり…長いね」
「誰もラウレンティウスとは呼ばない。この屋敷だってレーゲルスタインハウゼンベルガード邸とは誰も言わないよ。レーゲル邸って言うんだ」
「ラース·レーゲル?」
「それで通じるよ」
抱きしめられたままゆっくりと言葉を交わすうち、幾分か心臓の落ち着きを取り戻す。
「ラース…温かい…」
「一人じゃないからね」
「うん、ありがとう。これから…頑張る」
「ははっ…何を?」
「いろいろ覚えて生きていかなきゃ、でしょ?」
「楽しみだね、ユリア。知らないことを知ったり覚えるのは楽しいことだから」
そう言ってラースは腕を緩めるとそっと優しく唇を重ねた。ふぁーすときっす…ってやつです…やっぱり心臓の筋肉痛は避けられない。
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