ふわふわ

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コンコン… 「ラース様」 ポイヤックさんの小さな声は私が休んでいるかもしれない配慮か、はたまた取り込み中だったらっていう…ないな。 「どうぞ」 ラースはベッドに腰掛けたまま、私もベッドで座ってティッシュを鼻に当てたままポイヤックさんを見る。 「ユリア様?何か鼻血が出るほど興奮されるような夢でも?」 淡々と秘密の事実を暴くようなポイヤックにも、さん付けは必要ない。 「帰った?」 「はい、ラース様。こちらのお手紙を預かりました」 白い封筒がラースに手渡され、彼は裏を見ると 「オプラン·ジム·ウィンフリービッシュ。ユリアのお父様だね」 と読み上げてくれた。 「私は…」 「ユリア·マリ·ウィンフリービッシュ」 「…マリ?」 「亡きお母様のお名前がミドルネームだと聞いている」 茉里は私のお母さんと同じ名前だ。 「ユリアとだけは覚えていたんだ。嬉しいことだね」 そう言いながら便箋を取り出したラースはさっと手紙を読むと私に見せた。 「あ…」 大丈夫だ…翻訳機能を使ったように所々に不自然さはあるけれど自分で読める。そこには、傷心のユリアを決して傷つけることなく預かって欲しい旨が丁重に書かれていた。 「ポイヤック、承知の旨をすぐに送って。ユリアも伝言があれば今ポイヤックに言えばいい。一緒に届ける」 「じゃあ…ぇっと…素敵なお部屋を準備して頂いて、楽しく過ごせそうなのでご心配なく…と」 「かしこまりました、ユリア様。いろいろ…涙や鼻血で…ドナを呼んで湯あみの準備をさせましょう」
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