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にやにや
翌朝、私が驚いたのはラース、ポイヤック、ドナの通常運転ぶりだ。
お風呂の用意をするのも、ベッドを整えるのも、今日の予定を確認し合うのも普通。どんなに恥ずかしい思いをするのかと身構えていたのに肩透かしを食らった私は、逆に一人で昨夜のことを思い出してしまう。
「ユリア様、にやにやではなく、にっこりと微笑まれた方がよろしいかと…」
ポイヤックが水を飲む私に言ったので
「にやにや…お水が美味しくて…仕方ないでしょ?」
適当に返事する。
「昨日も同じ水でしたけど。本日はより美味しく感じられるお気持ちと体調でいらっしゃると。結構なことでございます」
「僕も昨日より今日の方が全て美味しく感じられるね」
「ラース様…」
ラースが笑って言ったのを受けて、ポイヤックがにやっとほんの一瞬だけ口角を上げた。
「もう1台、ベッドが必要でしょうか?」
「そうだね、もう少し考えるよ」
「はぁ?ラース…どういうこと?」
「ユリア様、今朝の2台のベッドを拝見してのご提案です」
「ポイヤックッ…にやにやしないでっ」
「失礼致しました、ユリア様」
「ユリア様…今朝はますますのメタリックボディでいらっしゃいますわ。お美しい」
「ドナもにやにやしないでよ…」
「「ユリア様が一番にやにやされていますが?」」
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