1人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の名前は『悠翔(はると)』、東京の4年制大学の理工学部に在籍する男子大学4年生だ。
僕は静岡県出身で中学生の頃は同じクラスに『風香(ふうか)』という名前の女子がいて僕は風香のことが好きで、いつか告白したいと思っていたけれど勇気がなくてなかなか告白することができない状態が続いた。
中学3年生の風香と僕は別々の高校に進学することが決まって中学を卒業すると会えなくなると思った僕は、3月の卒業式の日思い切って勇気を振り絞って風香に告白しようと決意した。
卒業式当日、卒業式が終わって帰宅するときに僕は風香に声をかけて2人で校庭に行って、桜の木の下に向かった。
「きれいだね」
風香が桜の花を見てつぶやいた。
桜の木の下で僕は風香の正面に立って話を始めた。
「風香、僕は風香のことが好きだよ!
別々の高校に行くことになったけど、僕と付き合ってもらえないかな?」
その時の風香は僕の真剣な表情を見て、
「そうなんだ…」
とつぶやいて少し沈黙してしまった。
風香は僕の顔をじっと見ていて僕は、
(駄目なのかな…)
と不安がよぎった。
少しすると風香が、
「ごめんなさい!
悠翔君とは付き合えない!」
と話すと振り向いて正門の前で待っている友達のもとに向かって歩き出した。
僕は離れていく風香の後姿を見つめながら、
(風香とはもう会えなくなるんだな…)
と漠然とした思いと悲しみが込み上げてきた。
涙をこらえるために上を見て桜の花を見ていると、桜の花びらが1ひら舞ってきて涙にぬれた僕の頬に舞い落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!