バリタチ、処女を喪失する

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バリタチ、処女を喪失する

「見ていてください」  そう言った7の言葉に聞く耳を持ったらしい。ヨシュアはブルネットの髪をかき上げると、バーカウンターに向かっていった。ガタゴト音を鳴らしながら椅子を持ってくる。そうして、ベッドにピタリと寄せて腰掛けた。  ベッドの上では、7があの手この手で鉄の蕾を開こうと奮闘中である。長い足を組んだヨシュアは、その様子を真顔で観察し始めた。  ――やりにくい。ものすっごくやりにくい。 「あの、身体が冷えますよ。ガウンでも着て、ソファーに座った方が良いんじゃないですか?」  うんざりとした顔のヨシュアがソファーを指さす。 「あんな所から、何が見えるって言うんだ。マク○ナ○ドのマークみたいな、お前の下半身しか見えない。私は、その顔が好きなんだ。ホラ、早くやれ」 「マク○ナ○ドて。M字って言うんですよ、そういうの。……じゃあ、遠慮なく」  大粒の瞳でジロジロ見られて全く集中出来ない中、7が指入れを再開した。だがやはり、そこは男の天岩戸である。そう簡単には開いてくれない。ガン見されてる緊張も手伝って、どうやっても無駄な力が入ってしまう。 「力を抜いたらどうだ?」  頬杖をついたヨシュアが、無責任極まりない口調でしらっと言った。『こっちだって初めてなのに、酷い』恨めしい顔で見つめてきた7に、呆れ気味に口を開く。 「7。お前は今日、私に同じ事をするつもりだったんだろう?」 「そうですよ! すっごく楽しみにしてたんです!」 「だったら、その尻を私だと思ってやってみたら良いじゃないか」 「なるほど……流石っすね! ヨシュア様って頭良いんだなあ」  『お前の頭が悪すぎるだけでは』言わずとも、思いっきり顔に書いてあるヨシュア。そんな彼に無邪気な笑みを向けた7は、どちゃくそエロい顔で誘うヨシュアを思い浮かべた。
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