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手際よく商品を手に取っていた7が、破顔した。「あった!」そう叫んで小躍りする。大柄細マッチョから顔を覗かせたヨシュアが『なんだこれは?』と眉をひそめた。
「コイツはスプレーホイップです。パイ投げしましょうよ!」
「パイ投げ……映画でやってたアレか? 目に入っても大丈夫なんだろうな」
「もしかしてですけど。昨日、俺がぶっかけちゃった事、まだ怒ってます?」
「当たり前だろう! あんな屈辱は初めて……」
店主が目の前にいると言うのに、その減らず口を唇で塞いだ7。やはりモテるバリタチというのは、普段の振る舞いからしてバリッてる。
思わず頬を赤らめてしまったヨシュアに微笑みかけて、サッと会計を済ませた。店主がニッチャリした笑顔で見送る。
二人を乗せたパトカーは、街外れのモーテル目指して爆走していった。
安モーテルに初めて訪れたヨシュア。彼は部屋の中を見渡したが、何も言わなかった。「汚い」そう文句が飛んでくると覚悟していた7は正直、拍子抜けした。
そのままベッドに腰掛けたヨシュアを『意外』と言う目で見る。
――スイスの寄宿舎にいたとか聞いたけど。こんなんだったのかな。
それはさておきだ。陽キャなバリタチ7は、ケツをプリップリさせながら、パーティーの支度を始めた。
ヨシュアは頬杖をついて、目の前で揺れるケツにご執心だ。
まずはパイの準備。ホイップの盛り付けを終えた7が、ワインやハムを冷蔵庫にしまい込む。その背後から、ようやく不満げな声が聞こえてきた。
「ワインを先に出せ。飲んだらセックスだ。尻を洗ってこい」
「それじゃ昨日と一緒でしょ! デートしたいって言ったのはヨシュア様です」
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