気持ち良くなろうよ

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「良かった……アメリカナミガイ(ミル貝)になってない。ふざけるなよ、7。私を誰だと思っている!」 「大好きなヨシュア様です。全部を俺にください。俺だけのものになってください」 「無理だ。私はこの夏、特別顧客称号者になる。父が推薦したんだ。一昨日、正式に承認された」  にじり寄った7は、ヨシュアの雄を優しく口に含んだ。土下座のような姿勢のせいで、涙がポタポタとヨシュアの下腹部に落ちてしまう。切ない目をしたヨシュアが、7のハチミツ色をしたブロンドを撫でた。 「最後の場所にお前は連れて行けない」   「……だったら、俺の命を使い捨ててください。俺はヨシュア様のモノです。貴方だけの武器と盾になります」 「分かった。そんなに泣くな、7。セックスしづらい」  7は細身のスーツに抱きつくと、自ら組み敷かれて下になった。節くれ立った手で慈しむように雄を擦る。眉をひそめて指を噛んでいたヨシュアが、下半身を再び固くした。ジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイを緩める。 「私に誓え。決して離れていかないと」 「絶対に離れません。俺には貴方しかいないんです」  二人の身体がブルッと震える。ヨシュアの雄が7の中に入っていった。逃れられない運命を呪うかのように、真っ白い腰を叩きつける。7はその全てを受け入れ……滅茶苦茶に気持ち良くなって、やっぱり頭がパーになっていた。    ----------------- 特別顧客:国や人種、組織を横断していく存在であり、特定の誰かを示す呼称ではない。第一次産業革命時より存在している組織。情勢により異なるが、基本的に称号を持つ者は一人。          
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