三月

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三月

3/29 「逃避紀行」 旅に出た。目的地はない。 人によっては、これは旅ではなく、ただの逃避だとそう言うのかもしれない。 それならそれでいい。 僕自身ですら自分が何をしているのかよくわかっていないのだから。まあ、自分が何をしているのか理解している人間なんて案外少数なのかもしれないけれど。 今書き始めたこれは旅の工程を紀行として残したいからではない。単になんとなく日記をつけようと思い至っただけ。それだけだ。 旅なのか逃避なのかわからないもの。逃避紀行とでも名付けようか。 僕は今、サービスエリアの隅に車を停めて車内でこれを書いている。 これからの生活は──生活?生きるための活動をしていると言えるのだろうか。 まあとにかく夜が長い生活が続くことになる。電気はないし、スマホの充電だって貴重だ。無駄にはできない。 先のことを考えたくはないけれど。考えたところでわからないけれど。考えることくらいしかやることがないのだから、思考の夜に浸ろう。
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