「それでな。この小説と同じように、俺もお前に呪いをかけてみたんだよね」
「え?」
「まぁ、復讐ってやつだな」
「復讐……」
僕はツバを飲み込む。
「かっこよく言うと【リベンジ】ってヤツ。とりあえずこの本に書いてあることを実践してみたんで、これからお前がどうなることか、この先の人生、それを楽しみに待つことにするよ」
神谷が口角を上げた。
「いや、待ってくれ。それはあくまでもネタであって、僕は何もしてない。すべてはフィクションなんだ」
「まぁ、それが本当か嘘かは分からないが、俺が今、お前を嫉んでいることは確かな事実だし、この本に書かれている書物ってのを実際に手に入れて、すでに呪いの儀式ってやつを実行したってのも事実だ。じゃあな」
神谷はそう言い残すと、僕に背を向けて去って行く。
残された僕は、あの書物に書かれている呪いを、神谷にかけられたという事実に怯えながら、ふらふらと歩き始め、気がつくと車道の真ん中に立っていた。
「えっ……」
ふと我に返った僕に、眩しいライトと消魂しく響くクラクションと共に、耳をつんざくようなブレーキ音が……。
激しい衝撃と激痛と宙を舞う浮遊感。
こんなとき人は、過去の記憶から危険を回避するヒントを得るために、頭の中に過去の映像を走馬灯のように流すと聞いていたけど、僕の頭の中に流れてきたのは、なぜか最後に食べた明石の叔父さんが送ってくれる、明石海苔を食べている映像だった……。
了 2023/4/5 葛西竜哉
指定お題
【マスク】【退学】【座敷】
【カメラ】【リベンジ】【塾】【怪物】
【焼肉】【破産】【ピザ】
個人的指定お題
【神谷信二】
【明石海苔】
以上。ミッションコンプリートでございます。最後までお付き合いくださって、誠にありがとうございました。
ペコリ((。´・ω・)。´_ _))
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