ののはな亭で戯れて ダンジョンの街にある食事処 配送可能

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・いい仕事をする行商人 その頃 岩だらけのダンジョンの12階層では 久しぶりに出現した 狂暴な大型モンスター達に幾つかの冒険者パーテイが挑みかかり  大騒ぎとなっていた「あっちの敵を攻撃してくれ」「はい!」 冒険者達は危険な状況に慌てていた 3つの首を持つ火を噴く竜 ヒュウドラが二体 ホブ・ゴブリン六体 毒液を放つ大蛇 岩のゴーレムが三体 ヒュウドラが吹いた火で大火傷を負う「きゃああ!」「熱い!」 火傷を負った仲間達に 回復係の魔法使いが癒しの魔法をかけている 岩ゴーレムの攻撃 数人が岩壁に叩きつけられた「う・・」「いたた」 ザッシュ! 「毒の大蛇は倒したぞ!」「頑張れ まだ敵が残っている!」 しかし・・ 岩ゴーレム、ホブ・ゴブリン達からの攻撃で 追い詰められる ヒュドラがとどめの火の攻撃をしようと 口を開ける 「もうだめだ!!」 「おや~大変じゃないですかあ」間の抜けた 能天気な声がした 向こうの岩場の影から 一人の人物が現れた 「へ?」  そこには ののちゃ店と書かれた上着に丸眼鏡 首から箱をかけた行商人が立っている 何故か その間の抜けた声で 冷や汗をかきながらモンスター達も動きを止め キョトンと彼を見ていた 「あ、どうも 僕ですね  10階層 ののちゃ店の売り子ですう えへへ よろしくです」行商人らしき者  ボサボサな茶髪の少年が笑う 「ダンジョンを回りながら箱のポーション毒消し、スマホ用充電器 パン、おにぎり 飲み物を売っていまっす」行商人の少年 「大変ですね 戦闘用ヘルプは いかがでしょうか?えへへ」 「・・・・・・」固まっている冒険者達 「いかがっすかあ?デヘ」 「ええっと クエストの場合は・・」 「ですよね でも・・全滅の危機とか例外的に別ですよ 規約にもありますから」 「ですから 大丈夫 問題ないっす」「間違いなく大丈夫でっすよ!」力強く言う その言葉にも 不安そうな冒険者達 「心配しなくて いいですよん」ニコニコ笑いながら 話をする行商人の少年 「・・・・・・」まだ沈黙したままの冒険者達 「どうされますか? 今なら緊急という事で ヘルプ代とか 街のメイン・ギルド本部からこちらにお金が出ますよ」 「それに クエストですから 当然、特別ボーナスも冒険者さんのも 貰えまっす」 苦戦しながら冒険者達は 彼の言葉を聞いている 「しかし・・ですねえ」「全滅の場合は 出ません 棺桶でやり直しっす」 顔を見合わせる冒険者パーテイの皆さん 「ど、どうする」「頼もうよリーダー」キイインン 戦う手は休めない 剣の音が響く 「た・・頼んでも」「へい!戦闘ヘルプのご用命ですね OKっす」 商売用の箱を置き 眼鏡を外し 上着を脱ぎ それを上に投げると 何故か 意味もなく 白い薔薇の花びらが舞い 櫛でサッと髪を整え 彼は びしっとした 上着なし 白シャツとグレーのチョッキの執事姿となる 「きゃあ」「いい感じ素敵」歓声と共に 何故か女の子の冒険者 数名 赤くなる 「任せてくださいね うふ」 ビュンと駆けて 服の中から小さな魔法のアイテムを取り出す 手の中で大きくなり 魔法のハンマーとなる! 「はああ」その魔法のハンマーで岩ゴーレムの足などを砕く「ウオオオオン」 ゴーレムだけでなく ホブ・ゴブリン達にも攻撃を加えた「ウギャアア」「キイイイ」 「もう 一つ おまけだっす!ええい!」ドガ!ガコッ! 「うりゃあああ!」横に振り回す ゲイインン 「そりゃああ!」ドコッ! ドココ!ドンドンドン!ドコッーツ!ドンドン! きゅいいんんん 細いワイヤーの紐で 岩ゴーレム、ホブ・ゴブリン達を 岩に巻き付けて  身動きが取れないようにする 次には 魔法の小瓶からサッと粉を降りかける ぱさー 「グ、ゴオオ?」「クウウ?」パタっと眠るホブ・ゴブリン くううう~すやすやすやああ~~~~ 「ふふ、強力眠りの粉だよ」にっこりと微笑む行商人、執事姿の少年 だが岩ゴーレムには 当然、効かない なので 岩ゴーレムには魔法のハンマーで叩いて 気を失わせる ゴイーンン! もう一つおまけに ゴゴ、ゴイーンン 「お次は・・と」チランと残った敵を見る 火を噴くヒュドラが緊張した面持ちで 執事姿?の少年を見ている 後ずさるヒュドラ達 にこやかに 微笑む執事姿の少年は 何も言わずに 地面を思いっきり 魔法のハンマーで叩いた ドゲイイイーン 地面がひび割れて 大きく穴が空き そのままヒュドラ達の足元が崩れる 「ピギャアアア」「プギャアアアアア」ヒュドラ達 気を失っている 足元のヒュドラを見る行商人 「それじゃあ・・念には 念を入れますよん」 念の為にと 強力眠りの粉もヒュドラ達の上にパラパラ・・ 「まあ こんな処ですね では・・すいません ここにサインを」 「あ、あ、はい」「有難う」宙に浮かんだコンソールパネルにサインを入れる 「はい OKですよ」 「お疲れ様でっす うふ 今日もいい仕事でっす」 「とどめをさして ポイントのゲットと特別ボーナスのゲットしてくださいね あ、勿論、ドロップアイテムも忘れずに・・でっす!」握りこぶしで 言う 「あの~お腹空いて・・」「はい、おにぎりなどの食べ物もあるっす」 「あ、美味しそうだ はあ・・」 「私、サンドウイッチ」「俺、その肉入りおにぎり それとお茶」 幾つかの食品と飲み物が売れる 「毎度あり あ、ポーションをおまけしておきますね それと店の名刺です うふ あ、僕の名前はマテインです よろしく~」 いつの間にか またボサバサ髪の丸眼鏡の少年姿となり 箱を抱えて立ち去った 「あれが 噂の行商人か」「他にも高レベルの行商人がいるらしいが・・」 おにぎりなどを食べながら 彼、マテインを見送る 冒険者達 「・・いい人だったね」「そう思うよ」 一旦 売り物はリュックに入れて 箱は折り畳み式なので一緒に入れたマテイン 「ええっと これから・・移動位置は・・」 岩だらけのダンジョンの中 宙に浮かぶコンソールパネルで自分の位置、地図などを 確認している「で・・それから」「ふむふむ・・」 岩場から 一人の人物が現れる「あら~マテインじゃない?」「あ、どうもっす レインさん」 そこには他店『はなまる』の行商人 美人なお姉さんレインがいた 「元気そうじゃない~マテイン うふふ」 彼女は長い淡いピンクの髪を三つ編みにして ちょっとセクシーに 短めのスカートの軽装な冒険者装備でまとめている ナイスな胸元もアピールしていた 色っぽいお姉さま 勿論、行商用の売り物はリュックの中 「いつも元気ね マテイン」「そっちはどう?」「ええ、いい感じでっす」 「うふふん 商売繁盛 いい事だわ」とても嬉しそうな弾んだ声 岩に座るレイン 綺麗なミニスカートの服 ちょっと見えそう 「最近、モンスターも沢山出現しているわね 魔法石も際限なしで出現中よね」 「僕もそう思います えへへ」にへら~と笑うマテイン 「また、冒険者稼業に戻っていいかな~なんて思っているわ でも 行商人の仕事もかなり売り上げがいいし 悩ましいわ」 「お店の従業員割引って 特典だらけで いいのよねえ そう思わない?」 「ふむ、ふむ そうですよねえ」マテイン 「じゃあ、そろそろ一旦、店に戻って 品物を補充しないと・・」レイン 腰かけていた岩から立ち上がるレイン 「お疲れさんですう」「またね うふふ」手を振って お互いにそれぞれ別の方へ向かう 「僕も一仕事終えたら ダンジョンにある ののちゃ店に戻って 今日は温泉にゆったりと 浸かりたいっすね  街『ののはな店』の従業員割り引を使って 宿で くつろぐのもいいっす」 とても嬉しそうマテイン にへらっと笑っている 混浴で モンスター娘ちゃん達とまったりくつろいだ事を 何気に思い出してしまう 「綺麗なお姉さん達・・くふふ」「シャラちゃんに マイラちゃん うふふ」 「吸血鬼のシャラちゃんには 血吸われたけど あう」 18歳前後の美人な蛇娘のマイラ 可愛い11歳ぐらいの吸血鬼のシャラを思い出すマテイン 「まあ、いつもですね ぐふふ」 ほかほかの美味な食事「・・・本店のリジャさんの食事も美味しかった くふ」 ご満悦な表情になるマテイン 「じゃあ、頑張るっす  あ、もうすぐ まかない飯が到着時間か くふつ」マテイン 洞窟内 岩場中で稀にキラキラしている 水晶も光り輝く
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