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その後、僕は女の髪に手を触れた。
サラサラと指心地の良いその髪は暴れてた時に抜けたのか、頭皮が付いたまま束になって数本落ちている。
僕は丁寧に女の結い上げられた髪を解くと、軽く口付けしてから顔をくっ付けて思い切り吸い込んだ。
蜜蜂を惑わす花の様な香りがする髪に、少し金属の匂いが混じる。
深く吸い込んでは吐いてを繰り返した僕は、先ほどの鞄から糸鋸を取り出すと、女の頭の上に置いて躊躇いなく左右に動かした。
最初は絡まって邪魔とさえ思った髪はいつの間にか赤く染まり、やがて硬い何かに当たった鋸は途端に動きを悪くする。
でも僕は、その手応えが柔らかくなるまで手を止めることは無かった。
そうやって女の体を分解し続けた結果、女は僕の手によって、肉塊から肉片、細切れと姿を変える。
僕は満足げに白子のような女の脳の欠片を手にとって掬い上げて舐ると、それはそれは欲深い罪の味がした。
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