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姑獲鳥の子。大城智也誕生
みゆきはよき伴侶を亡くしたとの想いで広島市に向けふらふらと清を抱いて歩いていた。だが拓司のことが忘れられず再び浜田市に帰ってきた。そして浜田市役所に行き託児所を探した。
みゆきは訴えた。
誰か誰かこの子を面倒見てくれる方はいませんか?
そう言ってハラハラと泣いていると一人の男性職員が目の前に現れた。
私政策企画課の大城と申しますがこの子頂けませんか。私にこの子の運命を任せていただけませんか。
そういうと清を抱き上げた。
みゆきは地獄やな仏だと感謝して今まで暗黒だった自分の人生に光が差した気がした
、パーッとイエスが現れたようにご来光が見えてつつっと涙を流して清を渡した。
ありがとうございます。ありがとうございます。そういうと浜田市役所から立ち去った。
大城は市役所から定時で漁民団地に帰ると真っ先に妻、千里に報告した。
あんた誰の子供をひろうてきたんかね。
そう千里が言うと哲也は、こう言った。
この子をうちのことしてある女性に頼まれて育てることにしたといい、子供のいないわしらの初めての赤ん坊じゃ。と答えた。
名前は聞いてないんじゃがこの男の子の名付け親になりたいんじゃ、千里。おまえは何か良い案はあるか?
そう哲也が言うと千里は、私の考えた名前でええの?と言ったので、うーん、と悩んだあげく貴方の哲也のやと智恵のある子に育って欲しいから智也が良いなあ。と言った。
哲也は其れじゃあ明日、この智也を戸籍になせておくぞ。と言ってアパートの中で大の字に寝た。哲也は安心して眠った。
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