村人から始まる冒険もの

光の先へ

ナイフで攻撃すれば弱草は、確か３回で倒せてた、そうなるとナイフで３匹狩れる計算になる。
「弱草を狩れるだけ狩ってみるか」
畑を見渡すと背の高い雑草こと弱草を見つけた。歩きながら近づいていく。切られるのもう嫌だなー、いやHPが守ってくれるはず……心配になってきた、せめていつでも確認できるようにHPとついでにMPをHUDに見えるようにならないか？
「アリエル、HPとMPも見えるようにようにならないかな？」
「聞いてみますね……良いそうです」
視界の左下に数字とバーが出てきた。数字の下にHPは緑で、MPは青色のバーが表示されている。
「おお、ゲームの画面みたくなってきたな、よしやるぞ」
緑草に近づき切り掛かって何枚か草を切り裂くと、弱草は草の刃で反撃してきた。全身に衝撃が走り４のダメージを受ける。ダメージまで表示されるようになってる、それに切れてない、これなら！続けて２度切ると倒すことが出来た。アイテムを拾い、ステータスを確認する、レベルが４に上がっていた。最大HPとMPは40だ。
「レベル４だ、弱草の方が経験値が多いのか？」
「青虫の経験値は２で弱草は３ですね」
「そうなのか……それの10倍はでかいな」
次も３回攻撃して弱草を倒すが４のダメージを受けた。残りHPは22でナイフの残り回数はあと４回、レベルはさすがに上がってなかった。
次の弱草を見つけて近づく、こいつでレベル上がんなかったら、青虫を倒していくしかないな、ナイフで攻撃、反撃が来るのは分かっている━━後ろに飛んで避ける、そして攻撃、
「くっ」
攻撃喰らってしまった４のダメージ。もう一度切ったら粒子になってアイテムを落とした。
おっ、レベルを確認してみるとLv５に上がっている、よし、経験値10倍のおかげだな、魔物数十匹分倒したのと同じだからなー。最大HPとMPは50だ。
「村人Lv５だ、これで転職できる、あとは教会でいくらかかるかなんだよなー……」
「転職は、一律下級100ドラ、中級1,000ドラ
、上級10,000ドラになってます」
「そうなのか、ん？もしかして、これだけじゃ100ドラもいかないんじゃない？どうするか……」
「よろしければ、これでも私は天に使える身、ルクスを転職させること出来ますよ？」
「そうなのか！」
早く言えよ！
「頼む」
「わかりました。村人から転職できるのはこちらになります……」
HUDに説明文が出てきた。
職業 スキル/ステータスアップ又は装備した武器の攻撃力上昇
農民 農業/棒微アップ
職人 クラフト/ナイフ微アップ
木こり 伐採/斧微アップ
見習い猟師 罠/弓微アップ
「━━どれに転職します？」
武器を作りたいから。
「職人で」
「わかりました。主よ、この者に新たなる職業をお与えください……これでルクスの職業は職人になりました」
確かにステータスを確認してみると職人になっている。最大HPとMPは50で変わっていない、残りHPは18、転職しても回復はしないか。
「よし、クラフトしてみよう。クラフト」
唱えるとクラフト画面が出てきた。タップして調べてみると、木の棒とナイフを使って木の槍が出来るようだ。作成を決定する。棒の先を何度か削っていると自動的に木の槍が出来てしまった。
「出来た……」
ナイフを使っても壊れてないってことは、クラフトではナイフの耐久値減らないのか、木の棒ならその辺に落ちてるし、木の槍作りたい放題じゃん。ついでに槍を鑑定してみると。
武器 木の槍 耐久値30/50 攻撃力7
木の槍の耐久値が減っている、木の棒の耐久値影が響するのか。
「これでスライムを狩ってみるか」
スライムを探しているとそれらしき魔物を見つけた。青く透明で中に核が浮いている、いわゆるスライムが這いずっている。木の槍で突き刺すと傷口から液があふれ震えだした、もう一度刺すと平べったくなって粒子になり消えてゆき、アイテムを落とした。
「あんま強くないな」
アイテムを拾う、落としたのは、魔石とゼリー状の物体だった。ゼリー状の物を鑑定してみる。
食品 スライムゼリー ほのかに甘酸っぱいゼリー
食品ってことは食べれるのか、どんな味がするんかな？いや今はお金に換えないとな。レベルはさすがに上がってなかった。
次のスライムを見つけ攻撃する、やはりスライムは２回刺して倒せた。アイテムを拾うとポッケが一杯になってしまった。もうこれ以上アイテムは持てなそうだ。ステータスを確認するとレベルが上がっている、HPとMPは変わらない、スライム20匹分で職人レベルが上がるんだな、何か新しくクラフト出来るのはないかな？
「クラフト」
クラフトの横にnewとでている、調べてみると、粗末な虫の糸二つで低品質の小袋を作れるようだ。
「はらぺこ青虫を狩るか」
はらぺこ青虫を見つけ、木の槍で突き刺すと緑色の体液が出て怯んだ、その隙にもう一度刺すが反撃してくる。
「うわ」
喰らってしまった。２のダメージだ。突き刺すと粒子になり、アイテムを落とした。よし今度は３回で倒せるようになった。
近くにもいたはらぺこ青虫を見つけたので、３回攻撃して倒す。今度は避けてノーダメージだ。槍を置いて粗末な糸を二つ拾い集めてクラフトする。言葉に出さなかったが念じただけでクラフト画面ことが出来た。二つの糸を重ねると糸が勝手に織り合い初め、みるみると低品質の小袋が出来上がってしまった。これはまさしく異世界ミステリー……突っ込んでは敗けなのだ。アイテムを仕舞う、まだ少しは入りそうだ。腰のベルトに結ぶ。残りHPは16、槍の耐性は20あるな。