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「古狸を炙り出せ。逃げ道作って、おびき出せ。間抜けな古狸がノコノコやってくる」
天橋律は、小声で自作曲を口ずさみながら、教団施設内をフラフラ歩きまわっては、あちこちに火を点けて回った。
小さな火種は、やがて周囲の可燃物を飲み込んで巨大な炎に成長していく。
横にも広がって、さらに大きくなる。
この建物は、木造の上、防火設備も消火設備も煙検知器も未熟で未設置であった。そのため、炎は瞬く間に広がっていった。
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