15/17
前へ
/55ページ
次へ
◇  兼高かつらは、離れたところから、燃える建物、渦を巻いて昇っていく大量の黒煙、辺り一面に舞い散る火の粉、次から次へと焼け出されてくる信者たちを無言で見つめていた。  サングラスに赤い火が反射している。 (あ、いた!)  信者たちの中に捜していた顔を見つけると、静かにその場を立ち去った。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加