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そして、俺は次の日は絶対寝不足になる。
寝不足で数学の時間に、長たらしい方程式を見ているうちに寝てしまった。
「起きて」
甘ったらしい声が聞こえる。この声は……
起きてみると、目の前には千南ちゃんがいた。
俺はよだれを垂らして寝ていたことに気付き、口の周りのよだれを直ぐに吹き、机のよだれは腕で隠した。
「さっき、数学寝てたでしょ。
はい、これ」
千南ちゃんは俺に数学のノートを渡してくれた。
「ありがとう。
明日、返すね」
俺は有難く、カバンの中に俺のノートと千南ちゃんのノートを入れた。
「ねぇ、1つ聞いていい?」
千南ちゃんは頬杖をつき、俺の目を見据える。
「いいよ。何?」
俺はその目が怖くなる。
「もしかして、桜ちゃんと付き合ってるの?」
俺の目を千南ちゃんは捉えて離さない。
「いやいやいや。それはないよ。
桜はただの幼馴染なだけだから。」
俺は手を空気を払うように横に動かして笑う。
「なら、よかった」
そう言って微笑んで、千南ちゃんは去って行った。
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