君だから

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放課後。桜はいつものように、俺を引っ張る。 「桜、離して! 今日は陽平と遊ぶから」 桜は遊ぶと言うといつも怒り出す。 「朔、帰ったら寝るでしょ! 私、帰ってくるまで部屋で待ってるからね!」 陽平とは中学3年間ずっとクラスは離れてたが、陽平はそんなの関係ないって感じで仲良くしてくれていた。 陽平は友達も多かったから、俺とはたまに遊ぶ程度だったが、陽平は親友だと口にしていた。 その親友を、今日はショッピングモールへと連れて来た。 「何でも買っていいよ」 陽平はおもちゃ屋に走り出す。 俺を手招きすると、そこには最新のゲーム機やらゲームカートリッジが並んでいた。 俺はおもちゃ屋を隅々まで目を通す。 「俺はこれがいい」 俺が見つけたのは、陽平といつもやっているカードゲームのカードセットだった。 そして、俺は自分で手に入れたいという気持ちがあったので、陽平の言葉は断り、俺の財布からお金を出した。 「それじゃあ、僕の気が収まらない」 そう言って、陽平は最新のゲーム機を買ってくれた。 多分、こういう所が陽平の周りにいつも人がいる秘訣なのだろう。
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