君だから

12/15
前へ
/15ページ
次へ
帰ると、部屋には桜がいた。 カバンの中を勝手に見る桜は、俺以外のノートを見つけてしまった。 少し固まると、 「私、やっぱり帰る。 ちゃんとやっといてね」 と言って帰ってしまった。 千南ちゃんに迷惑はかけられない。 その必死の思いで数学のノートは写しきって、そのまま机で寝てしまった。 桜は生徒会の仕事があるのか、朝に家に迎えに来なかった。 俺は寝ぼけ眼で登校して、朝のうちに千南ちゃんに数学のノートを返した。 今日は桜と全く言葉を交わさないまま、放課後になった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加