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帰ると、部屋には桜がいた。
カバンの中を勝手に見る桜は、俺以外のノートを見つけてしまった。
少し固まると、
「私、やっぱり帰る。
ちゃんとやっといてね」
と言って帰ってしまった。
千南ちゃんに迷惑はかけられない。
その必死の思いで数学のノートは写しきって、そのまま机で寝てしまった。
桜は生徒会の仕事があるのか、朝に家に迎えに来なかった。
俺は寝ぼけ眼で登校して、朝のうちに千南ちゃんに数学のノートを返した。
今日は桜と全く言葉を交わさないまま、放課後になった。
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