君だから

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「明日は土日ですが、皆気を抜かないように」 真面目で皆から嫌われている担任がそう言うと、すぐ担任は去って行った。 桜は俺の背中を叩く。 「さぁ、帰るよ!」 俺の腕をいつも通り引張っていく。 帰り道。 俺は昨日の買ったカードがズボンのポケットに入ったままになっていたことを思い出した。 カードをズボンのポケットから取り出すと 「また、それ?」 桜はやれやれと両手を空に掲げる。 開けてみると、その中にはあの『ザイオリック・リザード』が光輝いていた。 「やったーーー!!」 俺は雄叫びをあげるくらいテンションがあがっていた。 「どうしたの?」 桜は、その反応に興味を示してきた。 「レアカードが当たったんだ! これでやっと陽平と平等だ!」 俺はスキップで足を勧めた。 「えー!! 見せて見せて」 キラキラ光るカードに興味をそそられたのか、桜は俺のカードを触ろうとしてきた。 それが凄く嫌で、横に捻ったりしているうちに、『ザイオリック・リザード』は俺の手から離れてしまった。 キラキラしたそのカードは、側溝に落ちて汚くなってしまうどころか、水の流れに乗って消えて行ってしまった。 「何すんだよ! お前がいつもくっついて来るのうざいんだよ! 桜なんて嫌いだ! もう俺の前から消えてくれ!」 俺は桜を置いて走った。 「明日、東京行くんだけど、お土産でカード買ってくるから!」 桜の叫び声がした。 俺は怒りに任せて、走り去った。
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