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今日も授業が終わり、昇降口から出ると校門には、身体を左右に動かしながら待っている桜がいた。
俺も桜も部活に入っていなく、生徒会に桜は入っているが、殆ど集まる事がない。
「さぁ、今日も寄り道せず、さっさと帰って宿題するよ!」
そう言って、俺の背中を桜は無理矢理押す。
「いい加減にしてくれよ!
俺は今日は陽平と遊ぶ予定があるんだ」
振り返って叫ぶ。
「何言ってんの?
朔、遊んだらそのまま帰ったら寝るじゃない」
何度も俺の様子を見に俺の部屋に来ている桜は、俺の行動まで把握している。
「朔、数学と理科の点数悪かったんでしょ?
勉強しなきゃ。もう1週間後には期末テストだよ」
俺のテストを勝手にカバンから取って見てる桜には、テストの点数さえお見通しだった。
「うざいって。
もう俺、中学生だよ。ほっといてよ。
桜だって、彼氏ぐらい作ればいいんだよ」
桜はポカーンとした顔をした。
俺は何か悪い事を言っただろうか。
俺は桜に彼氏が出来れば、こんなに付き纏われなくてすむし、桜は好きな男とイチャイチャできるんだからお互い得じゃないか。
「あっそうですか。
じゃあ、同じクラスのイケメンにでも声掛けよっかな」
そう仏頂面になった桜だけが帰路を歩いていった。
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