君だから

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俺は陽平の家に着いた。 陽平の家は、俺の家よりも大きくて、ヨーロッパ風の家でオシャレ過ぎて居心地が悪いが、陽平も陽平のお母さんも優しいからよく遊びに行っていた。 陽平と俺はカードゲームにハマっていた。 今日も俺と陽平はカードゲーム対決をしていた。 「陽平のそのレアカードいいなぁ。 ザイオリック・リザード」 ザイオリック・リザードは、陽平の手の平に包まれて輝いていた。 「羨ましいだろ? これで百戦錬磨だよ。全然負けないんだ」 陽平は目をキラキラして言った。 俺は陽平が羨ましかった。 カードだけじゃなく、最新のゲーム機だって、オシャレな服もあって、俺とは違うなと感じてしまう。 陽平のお母さんがこんな物しかないのだけどと言って出してくれるショートケーキも、レアカードのように輝いていて、俺だけがダサい服をまとっている。俺だけがそこから浮くんだ。 俺は案の定、帰るなり部屋のベットで寝てしまった。 いつもは、桜がちゃんと宿題やってるか見に来るのだが、その日は誰も部屋には入ってこなかった。
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