桜を嫌いな理由

君だから

あれから１週間が経った。

千南ちゃんのお陰で、今回の期末テストは前回のテストよりも問題がスラスラ解けた。

俺は気分が良くなって、久々に桜の家に向かった。

桜とは、あの喧嘩した日から会ってなかったから、ずっと会うのが気まずかった。

でも、こんな時くらいは話したい。

きっとあいつは『やるじゃない。見直した！』って喜んでくれるに違いない。

桜の家の前に来ると、いきなりドアが開いた。

ドアから出てきたのは、イケメンの男と桜だった。

そっか。桜、イケメンの彼氏作るなんて言ってたっけ。

「あっ。朔、どうしたの？」

いきなり来たから、びっくりしたのか、目を大きく見開いていた。

「悪い。彼氏とデート中だったんだな。
俺、家帰るわ」

桜は何か言っていたが、無視して俺は自分の家のドアに素早く入った。