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「あれ、きらら。珍しいね、昼休みに来るなんて」
どうしたの、と知佳が数人で食べていた机から離れて私がいる教室の入口まで歩み寄ってきた。にこにこと笑う知佳とは対照的に、私の顔は強張っていると思う。
「ちょっと知佳に話があって。今いいかな?」
「放課後じゃダメな話?」
「できるだけ早いほうがいいなって」
私のいつになく真剣な顔に不思議そうな顔をして知佳は見ていた。
「うん、分かった。お弁当片付けて来るからちょっと待ってて」
そう言って知佳はまた教室の中へ入って行った。
私はその様子を複雑な思いで見送っていた。
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