1 貴女のことが好きです

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「条件ってこれですか?」 「あぁ」 「ちょっときぃ、私を巻き込まないでよ」  翌日、購買から少し離れた空き教室で、私、春山、蘭の三人は集まっていた。 「私は別に一人でも良いから二人で食べなよ」 「そんな訳にはいかないだろ。今まで二人で食べてたんだから」  私がメロンパンを齧りながらそう言うと、蘭は何とも言えない顔でお弁当の卵焼きをつついた。  私が春山に出した二つ目の条件、それは私がいつも一緒に昼食を食べている綾垣蘭も一緒に昼食を摂ることだった。 「自分は別に構いませんよ。大勢の方が賑やかですし」  春山は嬉しそうに笑いながら、お手製らしい卵サンドを齧った。相変わらず読めない男だな。 「で、私の何が聞きたいんだよ」 「んー、そうですね……。ご趣味はなんですか?」 「見合いかよっ」  私は思わず突っ込んだ。 「きぃの趣味は部活だよね」  ウィンナ―を齧りながら蘭が何故か答えた。 「へぇ! 何部なんですか?」 「……バトミントン部」  私は口の中のメロンパンを飲み込んでから答える。 「かっこいいなぁ! 今度練習見に行ってもいいですか?」 「入部するのか?」 「いや、自分運動できないんで応援だけです」 「いらねぇよ!」  そんなことを話していると、昼休み終了のチャイムが響き渡った。 「あ、終わっちゃいましたね。楽しい時間はあっという間だなぁ」 「明日もやるんでしょ? この集まり」 「あ、是非!」 「私の意見は無視かよ!」  そんなことをわいわい言いながら片付けを始める私たち。 「ん?」  蘭がふと廊下の方を見たので、私は「どうした?」と声をかけた。 「いや……今、誰かいたような気がしたんだけど……。気のせいだったみたい」  蘭はそう言いつつも、何となく廊下の方を気にしたまま片付けを再開した。
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