タマゴとニワトリ

　「もちろんですとも、陛下」
　この問題、答えが出ない問題の代表格だが、現世にいた頃俺はこれについて自分なりの答えを出している。
　俺的にはそれが、タマゴが先かニワトリが先か問題の最終的な解答だと思っている。
　「陛下、まず結論から申し上げますと、タマゴが先でございます」
　「おお！わしもそんな気がしていたのだ、して、そのこころは？」
　「はい、生物の進化ということから考えますと、自ずと答えが出るのです。ニワトリという種が現れる前、もっと遡れば鳥類が出現する以前から、生物はタマゴで生まれ続けております、つまり、まずタマゴがあり、後からニワトリに進化したのでタマゴが先なのであります！」
　どうだ！現世の教養をもって考えればこんな問題…。
　俺は、何故か周囲の人間が、王さまも含めてドン引きしていることに気付いた。
　「何を言っているのだ貴様は…？」
　あ…れ、？もしや、進化という概念が理解できないのか？
　俺は、盛大にやらかしてしまったと悟った。
　大臣が王さまに何か耳打ちしている…俺には何を言っているのか聞こえないが、何かヤバそうな空気であることはわかる。