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「陛下…あやつの言うこと、禁書となった異端者の主張に似ております…」
「あいつか…人間がかつては猿だったなどという神を冒涜する研究で処刑した…」
王さまの目がぎろりと光る。
「連れて行け!」
俺はそのまま身柄を拘束され、形ばかりの裁判で異端者として処刑された。
気が付くと俺は砂浜でうつぶせに倒れていた。
あれ?俺はさっき首を落とされて…?
異世界の記憶…そして、異世界に転生する前の、現世の記憶が一気に俺を覚醒させる。
そうだ!崖から落とされて…奇跡的に助かったんだ!龍太郎に見つからないうちに…!
ふらつきながら必死に立ち上がり、歩き出そうとする俺を、後ろから誰かが掴んだ。
「ダメだよ逃げちゃあ、せっかく戻ったのに悪いけど、きっちり死んでくれないと困るんだ」
そこにいたのは龍太郎だった。
「奇跡的に一命をとりとめてここに打ち上げられるのはわかってたんでね、待ってたよ」
俺は逃げようとするが体に力が入らない。
「はい、今度こそ頼むよ」
龍太郎は持っていた石で俺の頭を殴りつけた。
意識が遠のき、砂に膝をつく。
二度、三度と頭に衝撃を感じた後、俺は海に引きずられていった。
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