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シカミカムラ条約第二条「偶像を肯定してはならない。」小太郎はやはり、シカミカムラ条約に愛されている。対象でもあるゴリラをゴリラと思わなかったのだ。物心が付き、動物園の動物に成りたかった小太郎は見事にゴリラと同じ檻に入れたのだ。ゴリラと同じものを食べ、ゴリラと同じ様にお客さんに愛嬌を振りまく。小太郎はゴリラからも同業者と認められたのだ。「あっははっ!ゴリラ同然だな。空輝…ギャンブルまだ好きなんか?」木橋喜太郎が小太郎とタッチの差で現れた。木橋喜太郎は幽霊なのだ。私は混乱していた。「そりゃ、ギャンブルは大事だよ。仮に小太郎がゴリラと同じ檻に居なく、人間特有の愛嬌を発揮しなかったら…って思わないか?ギャンブルだって、社会の秩序に貢献してる筈さ。」私は笑んでいたが、木橋喜太郎は半ば軽蔑していた。その様な気さえしたのだ。「どうかな?社会の秩序としても、ギャンブル依存症が祟って、フルボッコとかだろ?普通は治安が悪く為ってると思うよな。その後、引き締めに繋がるのか?冴えてないな…コーヒーブラック飲むか?」木橋喜太郎は徐ろにコーヒーブラックを私に勧めて来たのだった。
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