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プロローグ R18
口の中に捻じ込まれた生臭い物体が口の中から引き抜かれる。その瞬間、胃の中の全てを吐き出した。
昼食や無理やり飲ませられた精液――、そのすべてが胃から口へと逆流し、胃酸特有の酸っぱい匂いが部屋に満ちる。
「うわっ、きったね」
3人の男達が、その吐き出したものを見て顔をしかめる。
息を荒くしながら長い前髪の隙間で彼らの様子を伺う。自分が嘔吐したことに対し、一人は不快気に、一人は無関心に、もう一人はせめてもの良心か、タオルをトオルに渡そうとしてくれてた。
それでも、誰もこの異様な状況を不思議に思っていない。
全員が裸で、自分体を陵辱したという光景にだ。
目の端に、誰かのスマートフォンが見える。
その画面では自分と同じ顔をした誰かが今と同じように凌辱され、喘いでいる動画がエンドレスで再生されていた。
『アッ……! イッ、アッーー! ヒ、ィ!』
焦点が合っていない目。だらしなく喘ぐ口。
整った顔立ちから発せられる下卑た嬌声は網膜に強く焼き付く。
これが、こんなのが、あっていいわけない。
これは夢だ、早く醒めろ。
だが、鼻を突きさす胃酸の匂いと今だ卑猥な器具に蝕まれる排泄しか知らないはずの孔の感触。
抵抗したせいで痛む節々の痛みに殴られた頬の痛みーー、すべてが、これが現実なのだと非常に突きつけてくる。
「おーい、聞こえているか?」
タオルを渡した男がさすがに反応のないことに心配したのか、手をヒラヒラと目の前にかざす。
自分はその手を振り払うことも、タオルを手に取ることもできず、ただ身を固くしてこの嵐が止むのを待った。
この行為の前、自分を殴ったのはこの手をかざしている男なのだ。手など取れるわけが無い。
「水でもかけてやれ」
自分を殴る回数を決めた男が、少し離れたところで言う。
殴った男は逆らうこともなく、ベッド横のテーブルに置いてあったペットボトルのキャップを外し、躊躇なくそこに入った水をかけた。
水音と共に冷たい水が顔を流れ落ち、髪が水を吸う。吸いきれなかった水が涙のように顔に伝った。
水をかけても未だ動かない自分を見て、業を煮やしたのかもう一人の男が手を伸ばす。
伸ばした先は顔ではない。自分を今だ苦しめている孔の方にだ。
「ーーァ」
指先でなぞるように、ゆっくりと道具の先を指だけで触れる。わずかな動きに合わせて、体は反射的に震え、逃げようと体をくねらせる。
その瞬間に、男はその道具を掴み、さらに強く捻じ込んだ。
「ーーーーッ!」
声にならない叫びが口から漏れ出す。
体はとうに限界を超えている。孔の中に入っている道具は奥を強く揺らし、さらに新しい部位を刺激した。
「アッ――!! イッ! ヒ、ィ!」
「こうすればいいだろう」
道具を動かしている男が2人の男に言いながら、道具を動かし続け蹂躙する。
自分の体が壊れていくような感覚にまた涙を流す。
「まだ出来そうだな」
3人のうちの誰かが呟いた声を聞き、必死に首を横に振った。
もう出来ない、もう辞めてくれと喘ぎながら伝える。
「ヤ、……メ、おねが……グッ、ア‼」
せっかくの懇願の言葉を吐いても自分を苦しめる手は止まることない。むしろその行為はさらに加速していく。
自分が感じたことのない理不尽な暴力となぜかそこに快楽を見出してしまう自分の体。
その様子を見世物のように楽しむ3人の男たち。
この狂宴はいつまで続くのか、もうわからない。
孔を犯していた男の手が止まり、見下ろす3人の影がニタリと口元を歪めた。
「目を開けろよ、ユウヤ」
自分の憧れの人間の名で呼ばれた自分ーー、トオルは、この悪夢の状況から逃げるように目を閉じた。
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