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「リク、動かしていい?」
「ああ」
「はーい」
後ろでアリユキの軽薄な返事を聞きながら、トオルは身を震わせる。
今、アリユキの陰茎はトオルの孔にはいっている。
この行為を既に満足したシュウは興味なさげに眺めているだけだ。
「ユウヤ。ちゃんと締めとけよ」
「ひ、っぁ……、んっ……! あっ……!」
「やわらけ~」
アリユキは遠慮なく腰を動かす。
その快楽に頭を割きすぎると、口でしゃぶっているリクの陰茎での行為がおろそかになる。
そうなるとこの行為は終わらない。
アリユキは楽しむように行為を行う。せめて性欲発散が目的のリクだけは終わらせようと震える体をこらえ、リクの陰茎を舐め続けた。
「……出すぞ」
「んっ……! うっ……!」
口の中に一気に広がる独特の苦み。
これはリクの精液だ。これをすべて飲み切らなくては終わらない。
リクは萎えた陰茎をトオルの口から抜き、散々玩具のように扱ったトオルを汚いものを見るかのごとく見下ろした。
「飲め」
「は、はい……」
リクの言う通り、喉に引っかかる精液をトオルは飲み込む。
この時に限って後ろを犯すアリユキは揺らすスピードを抑え、トオルが飲み込みやすいようにしてくれる。
それがまた屈辱的で、トオルの目尻からは人知れず涙がこぼれ落ちた。
「口を開けろ」
リクに言われた通り、トオルは口を開ける。
トオルの口内に精液が残っていないか確認した後、陸は立ち上がり、置いていたタオルを手に持ちトオル達に背を向ける。
「あれ、リク、もう終わりかよ?」
「塾の時間だ」
「すっきりした?」
「まあな」
リクが終わった。性行為において一番きついリクが終われば、あとはアリユキだけだ。
リクがシャワーへ向かっていくのをトオルは耳だけ聞く。
リクが塾を理由にトオルとの性行為から抜けるのは今日が初めてではない。
トオルもすべては把握していないが、リクは週に何度か塾に通っており、今のように自分の性欲が解消されると早々この家から出ていくことが多い。
その時は、トオルも少し楽になる。
「ユウヤ、揺らすぞ」
「んっ……、あっ……! ひぃ、あっ! んっ!」
アリユキの動きにトオルの思考は霧散する。
奥に突かれると、トオルの声が鳴ってしまう。
もう腕で体を支えることが困難になり、トオルはシーツに突っ伏しながら、アリユキの行為を受け入れた。
しばらくすると、トオルの内側からじんわり熱い熱が伝わる。
アリユキが達したことが分かり、トオルは息を吐いた。
「は、ぁ……」
「シュウ、後使うか?」
一人ベッドにいたシュウは息も絶え絶えなトオルを見て、首を振る。
「いい」
「そ、じゃあ終わりだな。お疲れさん、ユウヤ」
「ん……ァ」
アリユキはそう言い、陰茎を抜いた。
萎えたそれにもまだ快楽を感じえてしまうトオルは小さく鳴くが、アリユキはそれを気にせずタオルでトオルの体液まみれの体をふく。
「リクがシャワーから使い終わったら、出してやるよ。あと、今日泊まっていけよ」
「……」
今日は金曜日。明日は、休みだ。
始めてくる土日にトオルは何をされるのかと恐怖を感じながら、頷いた。
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