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「凛桜、おいで。部屋を案内するよ」
藤堂さんはそう言って私のバッグを肩に担ぐとリビングの奥にある大きな階段へ向かった。
階段を上っていくと、二階には部屋が3つか4つあるのが見える。更に階段を登って三階まで来ると廊下を進んで一番奥にある部屋のドアを開けた。するとそこは大きな寝室になっていて、真正面にある大きな窓からはリビングルームと同じように海が見える。窓の外には広いバルコニーがあって小さなテーブルや椅子が置かれている。
わぁ、すごく素敵な部屋!まるでどこかのリゾートホテルみたい!
私が言葉もなく感動していると、藤堂さんが私の荷物と彼の荷物をウォークインクローゼットの中に置いて出てきた。
「凛桜、他の部屋も案内するからおいで」
藤堂さんは私の手を取ると、彼の兄姉家族が泊まる寝室以外の部屋を見せてくれた。二階には海側とは反対側に細長に大きな和室があって、障子を開けるとそこはまるでどこか森の中にでもいるのかと錯覚しそうな、一階の海側にあるリビングとは全く違う風景。とても落ち着いていてどこかの温泉旅館のよう。
「わぁー、すごく素敵なお部屋ですね」
「子供達はいつもここで布団を敷いて寝るんだ」
「ふふっ、楽しそう!」
いとこ同士で仲良く子供達がここで寝転がる姿が目に浮かぶ。
「それとお風呂はこっちね」
藤堂さんは再び一階に戻るとリビングには戻らず反対方向に歩いた。一番突き当たりに和風の扉があってそこを開けると大きな脱衣所になっている。脱衣所の左奥にはサウナがあって、真正面奥の扉を開けると、そこにはどこかの高級温泉旅館の露天風呂かと見紛うほどの立派な大きなお風呂がある。
ほわぁぁ──…。すご〜い!
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