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そして、次の休日。
「あ、大輝さ~ん。こっち! こっちですよぅ!」
今日は千奈との待ち合わせだ。
千奈はどこか子犬みたいな感じの年下の女の子だ。妹系とでも言うべきか。
「ごめんな。ちょっと遅れたか?」
「大丈夫です。私、大輝さんのことだったらいつまでも待ってますよ」
「なんだそれ、忠犬か。千奈は偉いなー」
「えへへ~」
あんまり子犬みたいで付いていないはずのしっぽまで見えてしまう気がして、俺は千奈の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「あー! 髪の毛ぼさぼさになっちゃいます!」
千奈が頬を膨らませている。
身長自体はそこまで低いわけじゃないのに、キャラのせいか小さく見えるから不思議だ。
「ごめんごめん」
「もう! 大輝さんてば! ……でも、なでなでされるのは嫌いじゃないです」
一応謝っておくと、千奈は上目遣いに恥ずかしそうに微笑んだ。
これは……、反則だ。
「全く、千奈は可愛いな」
「えへへー」
千奈は再び見えないしっぽを振っている。
「じゃあ、行こうか」
「はい!」
詩織はいつも隣を歩いているし、亜衣はすぐに前を走っていく。
千奈は後ろから、ちょこちょことついてくる。
女の子、と一括りにするけれどそれぞれが全然違ってみんな可愛いから困る。
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