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『俺は今、家でだらだらしてるとこ』
「お」
今度は亜衣にメッセージだ。
だらだらとしているんじゃなくて、女の子に送るメッセージを必死に考えているのを私は知っている。
『大輝もちょっとは鍛えなよ。今度また身体動かしに行こうね!』
『お手柔らかになw』
「よし、こんなもんかな」
今頃、大輝はにやにやしながら三人からのメッセージを眺めているんだろう。モテる男はつらいなんて浸りながら喜んでいるに違いない。
「全部私とも知らないでね」
そう。大輝が付き合っている女の子は全部私だ。
メイクや服を変えただけで騙されるんだから、チョロいもんだ。私の演技力も大したものだと思うけど。
「この前、年上系の女を目で追ってたよね。今度は甘えさせてくれるお姉さんにでもなって近づいてみようかな……。先回りしないと、別の女に目移りされたら困るもんね、うん」
今度はそっち系のメイクをマスターして服も揃えよう。そういうキャラも研究して、なりきってみせよう。
「絶対に浮気なんてさせないよ。大輝は私だけを見ていればいいんだから」
その私が別人だと思われていてもいい。
浮気性の大輝が好きになるのが全部私なら。
「大輝は私だけのものなんだから……」
スマホの待ち受けに映る大輝の笑顔を見ながら、私は呟いた。
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