婚約破棄された悪役令嬢達の卒業式(断罪イベント)の答辞

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 【答辞】  憎々しいほど暖かい陽の光が降り注ぎ、桜の蕾が開花する前に頭から落ち、春の訪れを感じる今日、私たち悪役令嬢は#卒業__断罪__#の日を迎えました。本日、お忙しい中、私たちのためにご臨席くださいました皆さま、誠にありがとうございます。 「「「ありがとうございます!」」」  いま思い返してみると身に覚えのないヒロインへの嫌がらせをしたと言う三年間の学園生活はあっという間でした。 「「「あっという間でした!」」」  好きでもない会ったことのない婚約者を「家の為だと」親から勝手に決められた幼少期時代。 これほどまでに生まれたくなかったと思った絶望感は今でも忘れられません。 「「「まさに絶望!」」」  顔面偏差値が多少高い婚約者が多く、結婚ガチャに当たりを引いたとテンションが上がった事もありましたが、年頃になれば新規の女にホイホイついて行って己の役目を全うしようとしない無能が婚約者なんてその時は知る由もありませんでした。  顔だけで下半身チンパンジーだった事に残念で仕方ありません。 「「「残念なイケメン!」」」  そんなチンパンジーを作り育てあげた親の顔が見てみたいと何度も思いました。 「「「見たことあったわ!」」」  学校生活において「勉学」に励みながら「淑女」「皇后」教育を受け続けた悪役令嬢の時間を奪っておいて、証拠も何も無いと言うのに片方の言葉だけを信じ、教養のない女を選んだチンパンジーの人格を作った親も同罪です。 「「「有罪(ギルティ)!!」」」  心に残る思い出も沢山ありました。  婚約者が「生徒会長に俺はなる!」などと言って権力を乱用し、生徒会長の仕事を押し付けられた思い出はある意味勉強になり「あれ?こいつじゃなくて私が生徒会長でよくね?」と、思った事も多々ありました。 「「「まさに無能!」」」  生徒会長になった婚約者が行った行事と言えば「検討」「検討の促進」「検討に検討を重ねる」と、大事な事を後回しにし、学校の為だと言って「学費値上げ」だけは検討もせずに決定を下し、文句言う奴は次々とイジメに追い込んでいたクソ野郎をこちらから断罪したいと何度も思いました 「まさに検討士(有罪)!!」  学費値上げは学校ではなく生徒会長の懐に入り、取り巻き達の男女と酒池肉林を楽しむ為の費用に使われていたなんて帳簿に書かれることなんてありませんでした。 「「「生徒会の汚職問題!」」」  「婚約破棄されて両親を僻地に送られたくなければ黙ってろ」と、言われたあの言葉は今でも忘れられません。 「「「まさに外道!」」」  いっそ拷問ソムリエに依頼して消してもらった方が世のためだと何度も思いました。  「「「暗殺なんて生ぬるい!」」」  最後になりましたが、これまで私達を生暖かく見守って下さいました権力者に弱い取り巻きの皆様、公平のジャッジも出来ない教員共、チンパンジーを作りあげた方々、教養のないこれから死ぬほど苦労する女狐。  私達悪役令嬢は婚約者との#婚約破棄__断罪イベント__#を 「「「受け入れます!!」」」  これから私たちは、それぞれの物語に向かって一歩一歩自分の足で歩いていきます。  今後、大きな壁にぶつかったとしても、この腐った学園で得た多くの苦い思い出、屈辱的な学び、己の誇りを人生の糧とし、これから行われる元婚約者達の汚職の記者会見をメシウマな目で見ながら力強く生きてゆきます。 「「「皆不幸になればいい!!」」」  本当にありがとうございました。元婚約者とその新しい女狐の今後の不幸な展開を心より祈念して、答辞といたします。 悪役令嬢代表 ジャンヌ・キテラ
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