4人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
坂を下り終えると、右側に公園が見えた。
私は娘と手を繋いだまま、そこまで歩く。
「ここじゃない」
娘がそう言った。
「公園だよ」
私がそう言っても、娘は首を横に振る。
家の近所にある公園はここしかない。
私は首を傾げたけど、この公園を見て思った。
遊具が存在しない。大小さまざまな木が存在しているだけだ。
「どうしようかな」
私は、娘の手を握ったまま立ちすくむ。
その時、娘が
「あっちに行く」
と言って、私の手を振り払い、走り出した。
「待ちなさい」
私はそう言って、娘を追いかける。
なかなか追いつけなかった。
「こんなに速かったかな。私の体力が落ちたかな」
そう思いながらも、私は何とか追いついて、娘と手を繋いで歩く。
最初のコメントを投稿しよう!