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娘は歩く。
私は娘と足並みを揃え、娘が行きたい方向にそのままついていった。
途中で橋が見えた。
私は橋を渡りたくなかった。
だけど、娘は橋を渡ろうとするので、そのままついていった。
その瞬間、風が吹いて来た。
それは、真横から誰かに殴られたような感覚だった。
私は娘の手を握ったまま、小走りで橋を渡った。
橋を渡ると、その先に道路がある。
私は、向こう側へ行こうとする娘を止めた。
「もう帰ろう」
「いやだ」
私の問いかけに、娘は反抗する。
私は、居ても立っても居られなくなった。
娘を抱っこして、来た道を歩く。
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