桜は私のものなのに

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 ねちねち小言を言うだけでなく、すぐに暴力も始まった。  母は外で食べて帰ってくるようになり、私に料理を作らなくなった。  自分で作ろうにも材料費も渡してもらえず、幸せだったころにためた貯金を切り崩し生活をした。  高校生になってからは学費も払ってくれなくなり、クラブ活動もせずバイトをしたが、勉強も忙しく食費に回すお金がほとんどなかった。  初めのころは母の機嫌を取ろうと努力をしたが、今はそれさえもむなしい。  どんなに努力をしても、サクラを連れてくればよかったと母は繰り返し、私の心をずたずたに傷つけた。  サクラは父にも母にも愛されていて、私はどちらにも嫌われている。  そんな現実から逃げたくて、私は何度も家を飛び出したが、そのたびに連れ戻された。  それほど嫌っているのなら放っておいてくれればと思うが、世間体なのか母は私を自由にしてくれない。
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