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「もちろんそうするつもりだけれど、兄さんも、もうしばらくは城塞か狩小屋のどちらかに身を置いていてほしい。
まだどこにも行かないで、ルイス。
国王の動きが心配なら、彼は大怪我を負って十日は動けない状態なんだ。
根性出せば五日で動き出せるかもしれないけれど、猶予はまだある。
もう少しだけ待っていてくれないか」
「――――」
ルイスは眉を寄せて考え込んでいる様子だ。
アイリスは不安になった。
出発を遅らせるのは嫌だった。
しかしルイスは、慎重な声で言った。
「それは、アイリスの救済に関わることなのか?」
「それ以外のなにがあるって言うのさ」
わたしの救済?
アイリスは、ルイスを見上げた。
ルイスは難しい顔をして黙したあと、言った。
「五日待てばいいんだな」
アイリスはショックを受けた。
ロキが、ちらりとアイリスを一瞥した。
「――そうだね。
それくらいあればいいと思う。
でも、行く前は僕に一言告げてほしい。
行き先まで教えろとは言わないよ」
「わかった」
ルイスはうなずいた。
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