第四章

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「嘘じゃないアイリス、僕は」 「ルイスなんてもういい、ルイスなんか嫌い、大嫌い。あっちに行って。  出て行って!」  ルイスは、不可思議な光を瞳にたたえてアイリスを見つめた。  アイリスはなぜか、そのまなざしを怖いと感じた。 「僕はきみのことがなによりも大切だ。  きみがなにを言おうと、僕はきみのそばにいるよ、アイリス」 「……信じない」  怖気づきつつも、アイリスは首を振った。  涙がぽろぽろと零れた。 「信じない、ルイスは嘘つきだもの。  ルイスが出ていかないなら、わたしが出ていく。  ルイスの顔なんて、もう見たくない」  言い捨てて、アイリスはベッドから飛び降りた。  しかしドアノブを握る直前で、後ろから左の手首をつかまれる。 「やだ、離してルイ――」  手首を強く引かれて片腕に腰を取られ、体を反転させられた。  そして抗議の声は、ルイスのくちびるに塞がれた。 「っ……――」  腰を抱く片腕に、力が込められる。  熱いくちびるがアイリスのそれに押し当てられ、それから顎を掴まれた。  上向かされ、いっそう深く重ね合わされる。
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